「書」への思い パート1 書道再開
わたしの書道歴はトータルすると25年あまり
子どものころ、近所でいちばん習い事するのに近いのが書道教室でした。
徒歩3分ほど。
二つ上の兄が習っていて、同じようにやりたくて仕方がなかったのです。なんでも兄のまねをして競っていたからです。
でも、行ってみたら退屈でした。
まずはえんぴつで文字を覚えることから。
同じ文字をなんども書くのがすごくつまらなかった。
例えば
とり とり とり とり とり・・・
と、ノートにびっしり。
はやく書いて終わらせようとすると雑になり、一文字にだけスポットをあててもっと練習しましょう。となる。
こんどは
と と と と と・・・。
もっと、つまらない。
おしゃべりをすると叱られるし、私は落ち着きがない子だったので正座で文字を書き続ける作業がいやだった。
すぐに
「やめたい!」と母に言いました。
もちろん、母は反対しました。
「そんなに簡単に始めたり、やめたりできません。続けなさい。」と。
イヤイヤ行っていたので、上手になるはずがないです。
しばらくすると昇級試験をみんなが受けはじめました。
でも、わたしは全然やる気がないのでそんなところにもいけませんでした。
行きたくなかったけど、近所の友だちはほとんど通っていたので友だちとそこで会うために通っていたような感じです。
高学年になると、いやいや通っていて多少は上手くなるものですね。
硬筆は苦手でしたが、墨で文字を書くことが楽しくなっていました。
気がつけば中学3年生まで続けて、子どもの部の一番上の段までいけました。
10年習いました。
受験のため、そこで1度やめてしまいました。
[再開]
書道を再開したのは、娘が1歳になったとき。
24歳でワーキングホリデーに行き、そのあと添乗員をしていました。
日本を海外からみて、素晴らしいと思いました。
日本の「道」という世界を学んでみたいとずっと思っていました。
華道、茶道、柔道、剣道、書道・・・
奥が深い世界です。
素晴らしいと思いませんか?
終わりがない。
なんか凛とした空気感がどれもありそうな感じ。
そんなとき、娘をベビーカーで散歩していると子どものころにお世話になっていた書道の先生に遭遇。
ちょうど、御自宅の前のお掃除をされているところでした。
「先生、まだお教室はされていますか?お稽古させていただけますか?」と訊ねると
「まだ、やってますよ」
と、おっしゃられ通うことになりました。
[約束]
先生に、書道を習う理由を聞かれました。
その時は
「海外から見た日本の文化がすばらしいと改めて感じたので、海外で教えるチャンスができたらいいです。」と答えていました。
先生は
「じゃあ、教範の資格を取らないといけないね。本気でやるなら、10年で先生にしてあげる。その代わり、真剣にやらないといけないよ。いい加減にやったらいかんよ。私も本気で教える。」
そのとき、10年も本気を続けるの?
40歳になっちゃう。続けられるかな?と、そんなことしか考えていませんでした。
今思うと、素敵なお師匠さまです。そんな言葉をいただけるなんて。
本気で、向き合ってくださったおかげで今があります。
娘がちょうど、1歳を迎えたときの約束です。
10年後、娘は11歳。気が遠くなるような約束でした。