想いや価値観を大切にする女性起業家支援プロジェクト

なごやなでしこWEB通信~名古屋の女性起業家を支援するプロジェクト【なごやなでしこ】

なごやなでしこPREMIUM対談集2018

 
  2018/07/15

余語
本日は、書籍「なごやなでしこPREMIUMインタビュー集」を発刊されました、税理士法人士魂商才の勝野さんと大野さんにお話を伺いたいと思います。
勝野
よろしくおねがいします。
大野
よろしくおねがいします。
余語
ではまず、今回の出版の経緯についてお聞かせいただけますか?
勝野
はい。もともと、税務顧問のお客様である女性起業家さんを、ブログで紹介し始めたのがきっかけでした。
余語
ブログでお客様をご紹介する。
勝野
ええ。その記事1件あたりの文字数が大体6,000字〜10,000字くらいなので、その紹介記事が8件くらいになった時に、
勝野
「10人になったら6万字〜10万字になるな、そうしたらビジネス書一冊分だな」と、ふと気付きまして。
余語
なるほど。かなりのボリュームになりますね。
勝野
いまちょうど10人目のインタビュー記事を編集しているところなんですが、いよいよ10人なのでここでそのまま対談集として出版しようと。
余語
ブログで公開している内容をそのまま出版する、ということですね。
勝野
はい、基本的にそうですね。
勝野
できるだけ出版に労力をかけない、という基本方針で(笑)。
勝野
でも、情報のマルチユースというか、ブログを見ない人もいらっしゃいますでしょうし、書籍の形の方が手に取りやすいという人もいらっしゃいますので。
余語
確かにその通りですね。
勝野
商業出版という形式も考えたのですが、目的がやはり対談集で、インタビューにご協力いただいたお客様のブランディングの一環としてご利用いただくのを最優先しまして、自費出版として事務所負担で発行しようということになりました。
余語
そうしますと、例えばここでご紹介されているお客様からは金銭的なご負担とかいただいていないということですか?
勝野
はい、そうなります。
余語
それは喜ばれるでしょうね。ところで、インタビューの形でお客様をブログでご紹介するようになったきっかけはなんだったんでしょうか。
大野
もともとは、やはりご紹介したい女性起業家さんがいたから、というのがありますが、それ以前に、いまはプチ起業とか主婦起業とか、起業のハードルも低くなってきたりしていますよね。
余語
ええ。
大野
特に女性の場合は好きなことで起業するとか想いを大事にして起業するとかあって、うまくいかないことが多かったり、
大野
逆にうまくいきすぎて大きくなりすぎたりして不安になってしまったりするんですよね。
余語
10年生存率が5%とか、現実にはありますよね。
大野
でも、うちのお客様の女性起業家さんで、想いも大切にしながらもバランスよく事業も成功している方がいらっしゃるので、そういう人を皆さんに知っていただきたいな、と。
余語
なるほど。
大野
それと、私自身が福島正伸先生の塾に入っていまして、そこで女性起業家支援をしていきます!って宣言をしたんで(笑)。
余語
そうなのですか(笑)。
大野
私は書道の教範の資格を持っているのですが、私が書を起業家さんにプレゼントするとその方がどんどん成功していく!っていうジンクスを作りたくて(笑)
大野
それを形にしたいと勝野先生に相談したのが最初のきっかけで。
勝野
で、だったら、うちも女性起業家のお客様が増えてきていたし、インタビューとかをしてブログで紹介しながら、その人に合った書をお渡ししたらどうか?という企画が上がりましてね。
余語
ということは、インタビューと書でセットになっているのですね。文字は大野さんが選定するのですか?
大野
いえ、一応ご本人に希望を聞いています。皆さんの事業に対する想いがその文字に出るのでしょうか、意外と被らないんですよ。
余語
美とか愛とか輝とか、結構被りそうですが、そうでもないのですね。
大野
その方と実際にお会いして、お話をして初めて、書のイメージも出来上がります。
大野
あまりにもその人に合わないと感じた時は文字を提案することもあります(笑)。「あ、それだ!」と言って頂いたり。

余語
なるほど。で、2017年1月から始めて10人になって出版ということになったわけですね。
勝野
おかげさまです。
余語
なごやなでしこ、というネーミングはどなたがお決めになられたのですか?
大野
私です。なでしこ、というキーワードはいろんな団体などですでに使われていますけど(笑)。
余語
そのコンセプトはどういったものになるのでしょうか。
勝野
はい。事務所としては【なごやなでしこプロジェクト】と称していますが、そこでの基本的なコンセプトとしては、
勝野
「自らの想いや価値観を大切にしながら、精神的にも経済的にも自立して幸せに成功したいと願う女性起業家を支援する。」ということになります。
余語
事務所として女性起業家を支援していくプロジェクト、というわけですね。
勝野
はい。その上で、そのコンセプトに合致した女性起業家のお客様をご紹介するのが、「なごやなでしこPREMIUMインタビュー」という位置付けにしています。
余語
インタビューを受けた方というのが、PREMIUMメンバーである、と。
勝野
女性起業家の起業支援というのはいろいろあるとは思いますが、まだ実際にこちらの「なごやなでしこ」で動いている支援の形態はこのPREMIUMインタビューのみとなっています。
勝野
今後は、例えば確定申告のセミナーであるとかお金の勉強会であるとか、事業計画の作成講座であるとか、そういった会計事務所らしいものを広くやっていきたいですね。
余語
ここまでお話を伺っていて、やはり基本となるのはその方の価値観とか想いとか、そういった部分が基本となるようですね。
勝野
そうですね。
勝野
これは事務所名にも私たちの想いを込めておりまして、士魂商才というのはある意味、士魂=あり方とか理念とかであり、商才=やり方とかノウハウ・テクニック・戦略などになりまして。
余語
なるほど、あり方とやり方。
勝野
この二つは事業を続けていくのに必要な、いわば両輪だと思うんです。このバランスが重要なわけで。
余語
テクニックがあれば短期的には成功するかもしれないけど、理念がなければ長期的には成功できない、ということかもしれませんね。
勝野
はい、まさしく。
勝野
だから、この「なごやなでしこ」のコンセプトは価値観や想いを大切にしている、つまり理念を基準としている。その上で経済的精神的にも自立している。そんな起業女性を応援したい!というものなんですね。
余語
インタビューしているPREMIUMメンバーさんがまさにそういった方々なのですね。
勝野
はい、そう思います。個人事業主か会社か、とか、売上が多いとか少ないとか、従業員を雇っているかどうかとか、そういうことはここでは関係ないのです。
勝野
価値観を大切にして、それを手に入れているのかどうか?なんですよね。

余語
女性起業家は、どちらかというと想いが強すぎて戦略とか弱いっていう傾向は確かにありますね。
勝野
そう思います。いいか悪いかではなくて、その意味ではPREMIUMメンバーは男性的な方々が多いかもしれません(笑)。
余語
でも、ある意味、その女性が弱いと言われる戦略とか数字とか、そういう部分を補うという意味で、男性である勝野さんが女性起業家支援をする意義があるのかもしれませんね。
勝野
そういっていただけるとありがたいですね(笑)。
勝野
でも、こうやってインタビューしてきて、皆さんに共通していることはやはり「なぜその事業をやっているのか?」という理念の部分がしっかりしているということ。
余語
想いが強いということですね。
勝野
そしてそこには、なにかしらご自身が苦労してきたり悩んだりしてきて、そこを克服してきたからこそ、というのがあると思います。
勝野
だから、理想のお客様は誰ですか?と聞くと、昔の自分だ、という答えが出てくることが多いんです。
余語
なるほど!それはまさしく、天が与えたギフトですね。
勝野
そう思います!まりあさんの、「ご自身のギフトを見つけ、ギフトを生かす」という考え方は、まさにそうだなと実感しているんです。
勝野
そのうえで、PREMIUMインタビューを読んでいただいて、成功の秘訣とか読み取っていただけると嬉しいですね。
余語
逆に言うと、読み手であるたとえば起業家さんとか起業したいと思っている人たちにとっても、うれしいインタビュー記事になっていますね。
勝野
そのあたりは、このなごやなでしこPREMIUMインタビューの基本方針がありまして。
余語
と、いいますと?
勝野
いわゆる、三方よしの精神ですね。
余語
売り手よし、買い手よし、世間よし、の江戸時代の近江商人の教えですね。
勝野
売り手である私たちにとっては、こんなに素敵なお客様に選ばれる事務所であるというブランディング。
勝野
買い手であるお客様にとってはティーアップ。自分ではなかなかアピールできないようなことを、私たちが代わりにお伝えすることで、より信頼感が出ますよね。
勝野
そして記事の読み手はここでは世間よし、ですね。起業成功のヒントになればうれしいことです。

余語
PREMIUMメンバーは年代的にはどの層が多くいらっしゃいますか?
勝野
いまのところ、35歳前後の方がおおいでしょうか。たまたまですけど。
余語
先ほどの話ではないですが、業種も業態も規模も全く異なる感じですよね。
勝野
そうですね。
余語
35歳前後というと、小さいお子さんがいらっしゃる方も。
勝野
そういう方もいらっしゃいますね。
余語
女性のマーケットを分析すると、今はお聞きしたところによりますと13+@と言われてますね。
勝野
13の種類ですか?
余語
市場は縮小しているというのが現代日本の特徴として語られていますけど、女性に関しては13ぐらいの種類に細分化されていると。
勝野
そうなんですか?
余語
たとえば独身の女性をとっても、未婚の女性もいれば離婚した女性もいるし、死別した女性もいる。子供がいる女性もいればいない女性もいる。
余語
子供がいたとしても結婚している人もいれば結婚していない人もいる。
勝野
おお、なるほど!
余語
だから、女性に限って言えば、日本でも全体として市場は縮小しているかもしれないけれども、細分化されて逆にチャンスはおおいのかもしれない、と。
勝野
たしかに、そう言えるかもしれないですね!
余語
その意味では、PREMIUMインタビューの方々も、記事を拝見しているといろんな業種、業態、規模、そして家族構成や生い立ち、大切なものや起業に対する考え方なども様々なので、
余語
市場の多様化にも合致するのではないかな、と感じておりました。
勝野
女性の場合は男性に比べてライフステージが年代とともに変わるので、いろんな制約が出てくるケースがありますからね。
勝野
だから、そのたくさんの制約の中で活躍されている女性起業家の方はすごいなと、結構尊敬しています(笑)。

余語
実際にインタビューはどのように進めていったんですか?準備とか編集とか、結構大変そうに思いますが。
勝野
はい、かなり大変です(笑)。まずは事前アンケートをお渡しして記入していただいています。
余語
事前アンケートはどのような項目があるのでしょう?
勝野
まずは肩書きとPRしたい商品を設定していただき、それに合わせて7つの項目をご記入いただきます。
勝野
具体的には、事業の内容や事業をやり始めたきっかけ、商品分析、顧客分析、市場分析、競合分析など。
余語
なかなか項目としては難しくて書きにくそうですね(笑)。
勝野
ですので、その項目に沿って簡単な質問形式になっています(笑)。分かりやすく答えやすいようにしていまして、箇条書きで書いてもらうようにしています。それでも、書けない部分とかもあるんですね。
余語
自分のことはなかなか客観視できませんからね。その意味では、インタビューは自分の棚卸になることもありますよね。
勝野
そうなんです。この事前アンケートをベースにヒアリングと撮影を同時に行います。1時間ほどでしょうか。
勝野
後日また編集時に個別でやり取りをしながら、記事を完成させていくのですが、その過程はまさに棚卸なんですね。
余語
そこもお客様から喜ばれるポイントになるのではないでしょうか?
勝野
はい。なぜそう思うのか?なぜそうなっているのか?と、結構細かく質問しています。
勝野
自分の原点を思い出した、とか、この方向性でいいんだという確信を持つことができた、とか言って頂いた方もいらっしゃいます。
勝野
改めて質問されて、気づくポイントとかもあるようです。
余語
事業の核心部分ですからね。
勝野
そのほか、たとえばブログのプロフィール欄にそのまま貼り付けたい!とか、改めて読んでみると私っていい仕事してるな、とか(笑)。
勝野
記事を読んだ人がお客様としてきてくれた、とか、知り合いのコンサルタントに褒められたとか(笑)。
余語
読みやすいですし、写真も書も素敵でいいかんじですよね。
大野
ありがとうございます。
勝野
ありがとうございます(笑)。

余語
読み物として面白い、文章をお褒めいただくことも少なくないのでは?
勝野
はい、よく褒めていただけます(笑)。ある方からは、「記事にお客様への愛情が感じられる!」と言っていただきまして、とても嬉しく思いました。
余語
それは素晴らしいですね(笑)。
勝野
やはり文章については基本構成がキモでしょうかね。事前アンケートがそのまま記事の構成になるように設計しているので、実際にインタビューするときにはほぼ出来上がっている、みたいな感じになることもありますし。
余語
それはすごいですね。
勝野
あと、重要なポイントは二つあって、一つはなぜその仕事をやっているのか?ということ。もう一つはなぜあなたが選ばれているのか?ということ。
余語
重要なポイントですね。
勝野
これをやっていて一番感じることは、お客様のことをより深く知ることができたということですね。ひとつひとつのエピソードやポイントは断片的に知っていても、記事にして他人に知らせようとするとまたより深く知るようになる。新しい発見もある。
勝野
やっていてよかったなと思う瞬間でもありますね。
余語
お客様への愛情を感じる、というご意見は、そこにあるのかもしれませんね。今後はどのような展開を考えておられますか?
大野
やはり、女性起業家支援といえば士魂商才、と言われるようになりたいですね。関わる起業家さんがみんな飛躍していけるように。私もなでしこになりたい!という女性起業家の卵をどんどん育てていけたら!
勝野
そうですね。すでにそういう人たちも出てきていますよね。個別で勉強会などもし始めましたし。
勝野
あとは、やはり起業家さんの数字力の強化ですね。経営というのは小さいことの積み重ねだし、昨日よりも今日、今日よりも明日、というように改善していくことの積み重ねだと思うんです。
勝野
その意味では、数値化できないものは改善できないし、改善できないと成長できないし、成長しないと発展もしないし、発展しないと存続もできない。
勝野
だから数値化なくして事業の存続はない。起業家さんの数字力を高める活動をしていきたいですね。
余語
そうですね。数字力、大切ですね。名古屋で数字のことを分かりやすく教えることができるのは勝野さんだけかもしれませんね。
余語
今後の発展を期待しています。ありがとうございました。
大野
ありがとうございました。
勝野
ありがとうございました。