想いや価値観を大切にする女性起業家支援プロジェクト

なごやなでしこWEB通信~名古屋の女性起業家を支援するプロジェクト【なごやなでしこ】

“ご機嫌なかわいい私は自分で育てる” 笑み育カウンセラー 井上ききさん | なごやなでしこPREMIUMインタビュー2019 vol.2

2019/08/05
 
なごやなでしこインタビュー井上ききさん
この記事を書いている人 - WRITER -
起業2年目のフリーランスwebデザイナー・ライター 「おうちで働く笑顔のママになる」を目標に未経験からwebの世界へ。 主に個人事業主さん向けにWordpressのホームページ制作を中心とした集客・運営の仕組み作りを提案している。 「制作で終わらない、一緒に作って育てる」がモットー。 ビジネス用で始めたInstagramにハマり、講座やレクチャーなどもしている。

カウンセリングが終了した後も怒りをコントロールできるようになるという【笑み育(えみいく)ワークシート】を自ら開発し、【笑み育カウンセラー】として活動される井上さん。
さらには2017年より、笑み育カウンセラー養成講座も開講、2018年には初の著書を出版。
その裏にはご自身が経験された幼少期の辛い経験や育児の挫折など様々なヒストリーがありました。

なごやなでしこインタビュー井上ききさん

井上きき
笑み育(えみいく)カウンセラー/講師/メンタルコーチ

結婚で退職後、コーチングを学び長男が0歳の時にメンタルコーチとして起業。
その後自身の育児への葛藤から「インナーチャイルドセラピー」に出会い心理学を学ぶ。
その後【笑み育ワークシート】を開発。
「自分の機嫌を自分で取れる人を増やすこと。母親の不機嫌にビクビクしながら過ごす子ども達を減らすこと。」を目標に精力的に活動を行っている。

【笑み育カウンセリング】
井上きき独自開発の心理カウンセリングとメンタルコーチング、そしてインナーチャイルドセラピーの方法を融合させたカウンセリング。
その手法を1枚にまとめた、【笑み育ワークシート】を使用しカウンセリングを行う。
クライアントから「生きるのが楽になった」「子供に怒鳴らなくなった」「夫や義母からも大切にされるようになった」など喜びの声が後を絶たない。
ホームページ:井上きき公式サイト
ブログ:アメブロ
オンラインサロン:笑み育オンラインサロン
著書:「笑み育ワークシートで笑みママになる!」2018/10/30発売

自分で自分のご機嫌を取って笑顔を育てるカウンセリング、それが【笑み育カウンセリング】

勝野弘志
勝野

井上さんのメイン商品【笑み育カウンセリング】について改めて教えてください。
肩書きで言うとカウンセラーになるんですかね?

井上ききさん
きき

カウンセラーであると同時にカウンセラーを養成している講師ですね。
【笑み育カウンセラー養成講座】が今はメイン商品になります。

勝野弘志
勝野
【笑み育カウンセリング】は、子育てに悩みを抱えるママ向けのイメージなのですが、お客様は皆さん女性なのでしょうか。
井上ききさん
きき

養成講座は女性限定なのですが、カウンセリングのクライアントには男性もいらっしゃるんですよ。
「笑み育=子育て」のイメージがあると思うんですけど、子育てに限らず「自分で自分のご機嫌を取って、笑顔を育てるカウンセリング」なので男性相手でもいんです。

勝野弘志
勝野

意外!男性もいらっしゃるんですね。
男性のお客様は、どんなことに悩んでいらっしゃるのですか?

井上ききさん
きき

もちろん割合は少なくて5%くらいですが、なぜか常に一人は男性クライアントが途切れずいらっしゃいますね。
男性のクライアントは、結構内向的な人でご自身が傷ついているのが明らかにわかっている人がほとんどですね。

勝野弘志
勝野

女性のお客様もそのような方が多いのでしょうか?

井上ききさん
きき
女性は大活躍されている方も多く、色々なタイプの方がいらっしゃいますね。
人間ってどこかに傷ついている部分を持った人が多くて、そうすると本当にやりたいことにブレーキがかかっちゃうんです。
勝野弘志
勝野
「傷ついている」というのは、過去の経験でということなのでしょうか。
井上ききさん
きき
はい。「自分の幼少期の傷」です。
その傷を持った自分の心の中の子供のことを「インナーチャイルド」と呼びます。
勝野弘志
勝野
それは、誰しもが持っているものなのでしょうか?
井上ききさん
きき
全人口の95%がインナーチャイルドが傷ついた「アダルトチルドレン」と言われています。
何らかの心の傷を抱えている人が本当に多いんです。
勝野弘志
勝野
アダルトチルドレンは子供の時に傷ついた人、インナーチャイルドはその原因と言うことですね。
それを癒すのが【笑み育カウンセリング】なんでしょうか。
井上ききさん
きき
そうですね。それを癒すための「手法」をお伝えしています。

商社でキャリアウーマンだった独身時代、そしてコーチング講師としての起業

なごやなでしこインタビュー井上ききさん

勝野弘志
勝野
そもそも井上さんがカウンセラーになられたのは、何がきっかけだったのですか?
井上ききさん
きき
元々結婚して仕事を辞めてから、コーチング講師として起業していたんです。
でも6年位前にインナーチャイルドセラピーに出会って、衝撃を受けて。
自分が長年抱えてたものがスッと軽くなったんです。
勝野弘志
勝野
コーチング講師で起業?!初めて聞きました。
井上ききさん
きき
そうなんです。実はフリーランス歴は長くて15年くらい。
長男が0歳の時に起業しています。
勝野弘志
勝野
そうだったんですね。
ご結婚前にお勤めされていた時は、どんなお仕事をされていたんですか?
井上ききさん
きき
大学を卒業してから商社で7年働きました。
外回りの営業でバリバリのキャリアウーマンでした。
勝野弘志
勝野
そうだったんですね!何を扱う商社だったんですか?
井上ききさん
きき
名古屋の大手自動車メーカー向けの機械工具を扱う商社でした。
お客様は現場の方ばかりなので、打ち合わせの時は油まみれですよね。
生産技術の現場の中に、女の子が一人ミニスカート履いて行ってました(笑)
勝野弘志
勝野
ミニスカート?!(笑)
井上ききさん
きき
おじさまたちが喜んでくれますからね。
ミニスカート戦術ですよね(笑)。
切削速度がどうとか数字が苦手なのに打ち合わせしないといけないから、ミニスカートでごまかしてました。
もちろん勉強もしっかりしてましたけど。
勝野弘志
勝野
なるほど。元々そういった分野に興味があったのですか?
井上ききさん
きき

いえ、私が就職したのって超就職氷河期で…。
選り好みもできないから、どこでも拾ってください〜って感じでした。

勝野弘志
勝野
でも超優良企業ですもんね。
営業職を希望されていたのですか?
井上ききさん
きき
そうですね、事務とかじっとしているのは無理だとわかっていたので。
同じところに毎日いるのが無理だから、外回りの仕事は合っていたんですよね。
勝野弘志
勝野
そのお仕事を、7年も続けられたということですか?
井上ききさん
きき
はい、仕事は楽しかったので。
夜中まで働いてたし、成績も残さないといけなかったけれど、みんなでわいわい頑張ろう〜っていう社風で。
お客さんも良い人ばかりでした。仕事好きなんでしょうね。
勝野弘志
勝野
なんとなくわかります。
その後、ご結婚されて退職されたのですか?
井上ききさん
きき
はい。商社の社長が退職する時に「井上さんに向いているコーチっていう仕事があるよ」って。
この人から学ぶといいよっていう人まで教えてくれて。
「仕事しながら子育てできるよ」って勧めてくださいました。
勝野弘志
勝野
それは、すごいですね。
なぜそんな風に言ってくれたんでしょうね。
井上ききさん
きき
仕事ぶりを見て「この子は家庭に入るより働いていた方がいい」って思ってくれたんですかね。
その社長さんとは。今でも時々お会いするんですよ。
勝野弘志
勝野
そこで一からコーチングを学ばれたのですね。
井上ききさん
きき
はい。コーチングとの出会いは世界を変えてくれました。
「人ってこういう風に人生を変えていけるんだ」って衝撃でした。
勝野弘志
勝野
それが15年前のことですよね。
今はコーチやメンタル系のお仕事も多いですが、当時はまだマイナーなジャンルですよね。
井上ききさん
きき
そうですね。
当時はまだコーチングとかメンタルコーチなんて知られてなかったです。
まだ流行り始める前で、形の無い仕事ですからね。
でもそこから心理学に興味を持ったんですよね。
勝野弘志
勝野
勉強されていきなり開業されたということですよね?
メンタルコーチって、どこかに就職したり所属したりはできないんでしょうか。
井上ききさん
きき
そうなんです。
それがないから仕事にできている人は、意外に少ないんですよね。
勝野弘志
勝野
そんな中いきなり開業!すごい行動力ですね。
当時から結構稼がれていたのですか?
井上ききさん
きき
いや、そうでもなくて…。
コーチングだけの時は全然稼げてなかったですね。
月10万円くらいでしょうか。
勝野弘志
勝野
でも10万円にしてもお客様がついて、仕事が取れていたということですよね。
集客はどうやってされていたんですか?
井上ききさん
きき
最初は口コミや知人ですかねぇ。あとは息子の通っていた保育園でその話をして、
「じゃあ保育士向けの講座できる?」ってなって、保育士さん向けのコーチング講座を始めました。
勝野弘志
勝野
息子さんの保育園で?!
井上ききさん
きき
はい、私そういう時はガンガン行きますよ〜(笑)
「コーチングってすっごくいいんですよ〜」って話をするところから始まって。そうしたら住んでいた豊明から稲沢と、一気に保育士さんに広まっていきました。
先生のネットワークみたいなものもあったかもしれないですね。
勝野弘志
勝野
なるほど!そうやってどんどん口コミで広がっていったわけですね。
どんな講座内容だったのですか?
井上ききさん
きき
子育てコミュニケーション講座や保育士向けのコーチング講座、子どもの好き嫌い少食相談とかですね。
ママさんや保育関係の方々、延べ3000人の相談に対応してきました。

「何もかも思い通りにいかない」自身の育児で初めて壁にぶつかり、インナーチャイルドセラピーに出会う

なごやなでしこインタビュー井上ききさん

勝野弘志
勝野
3000人!すごい数ですね。
保育のプロに教えるくらいだから、きっとご自身の育児にも活かされていたんでしょうね。
井上ききさん
きき
それがですね…私自身はコーチングのスキルを育児には全く生かせなかったんですよね。
うまく使えなかった。
勝野弘志
勝野
お子さんは何人いらっしゃるんでしたっけ?
井上ききさん
きき

高校1年生の男の子と中学1年の男の子と2人です。

次男が産まれて2児の母になってからは特にイライラが強くなって。
今まで思い通りにいっていたことが、何もかも思い通りにいかなくて…。

勝野弘志
勝野
逆に子育てをするまでは、思い通りにいっていたのですね。
井上ききさん
きき
そうですね。
仕事とかと違って、子育てって本当に思い通りにいかないんですよね。もちろん育児もですけど、簡単な家事とか自分のやりたいことが思い通りにいかない。
例えば「窓を拭きたい」と思っていてもそれができないんですよ。
途中で「抱っこして〜と」か「公園行きたい」とか言われる訳ですから。「やらないといけないことがこなせない」
そこが子育ての一番の大変さだと思いますね。
だから今まで仕事をバリバリやっていた人や、やりたいことをやってきた人はすごく戸惑うと思います。
勝野弘志
勝野
確かに。ママになることで一気に環境が変わりますもんね。
井上ききさん
きき
それで毎日鬱々してて…。
子供を怒っちゃうことで自分を責めていました。
人に会うのもなんだか怖くなってしまって、わざわざ隣町のスーパーまで行ったりもしていたこともありました。
勝野弘志
勝野
知っている人にも会いたくないってことですか?
井上ききさん
きき
はい、会うと会話をしないといけないですからね。
もう我慢の限界だったんでしょうね。
勝野弘志
勝野
育児って本当に孤独でハードですよね…。
旦那さんは協力してくれたのですか?
井上ききさん
きき
はい、主人は協力的でした。
ただ大きなきっかけがあって、3年間海外勤務で単身赴任になってしまったんですね。
勝野弘志
勝野
ぇえ! お子さんが幾つの時ですか?
井上ききさん
きき
上の子が6歳、下の子が3歳の時ですね。
そんな中、完璧主義の私が一人で何もかもちゃんとこなそうとしちゃったから、もう大変ですよね。
勝野弘志
勝野
それは本当に大変でしたね…。
でもそんな中でコーチング講師のお仕事も続けられていたのですよね?
井上ききさん
きき
はい、ママや保育士さんに子育てセミナーをしていました。
なのにその陰で自分の子育ては、立ちいかない状態で…。
でもそんなことで悩んでるって、誰にも言えなかったんですよね。
だから余計にできない自分を責めちゃって、子供に怒ってばかりいたし…。
勝野弘志
勝野
コーチングの子育てセミナーでは、どんなことを教えられていたんですか?
井上ききさん
きき
否定するとかじゃなくて肯定するとか、子供がすっと動いてくれる言葉がけの方法とかですね。
勝野弘志
勝野
それなのに実際ご自身では、難しかったということですね。
井上ききさん
きき
はい。教えていることが、できていなかったです。
インナーチャイルドを知ってからわかったことですが、この時は感情が邪魔をしてたんですよね。
頭でわかってることができない、インナーチャイルドとの葛藤です。
勝野弘志
勝野
インナーチャイルドのことは、いつ知られたのですか?
井上ききさん
きき
実はその悩んでいた当時に【笑み育】の原点である「インナーチャイルドセラピー」を知ったんです。
「幸せ売ってないかな〜」って本屋さんにふらっと寄って。
勝野弘志
勝野
幸せ?売ってるかなぁ?(笑)
井上ききさん
きき

時々幸せ探しに行きますよ(笑)。

なぜかその時「ケイコとマナブ」を初めて手にとったんです。
そこで「心理カウンセラー養成講座」の募集を見つけて
見たときには「もう行く!」って決めてました。
本当に導かれるようでしたね。

勝野弘志
勝野
名古屋で講座があったのですか?
井上ききさん
きき
はい、たまたま名古屋で開催されていました。
そこでインナーチャイルドセラピーをまず自分自身が受けて、なんで今自分かこんなに辛いかがわかったんです。

「お母さんを幸せにしないと死んじゃう」幼少期の経験を辿って初めて気づいた生きづらさ

なごやなでしこインタビュー井上ききさん

勝野弘志
勝野
なるほど。どんなことに気づかれたんですか?
井上ききさん
きき
私の場合は、子供に感情的に怒ってしまう原因を探ると、それが自身の幼少期にあることがわかったんです。
勝野弘志
勝野
そんなに遡るんですね。
井上ききさん
きき
幼少期、私の母はずっと鬱で寝ていたんですね。
「お母さんは幸せじゃない、だから私が幸せにしてあげないといけない!」
ってずっと思っていました。
そこが私の1番の傷つきポイントだったんです。幸せにしてあげないとお母さんが死んじゃう、そうしたら私も死んじゃうって。
だからお母さんを幸せにできない私はダメだって、罪悪感をずっと持って生きてきたことに気がついたんです。だから目の前にいる子供たちが、お母さんを幸せにできていない行為をすると感情的になってしまったんですよね。だいたいみんなそうやって過去を生きているんです。
だから子供やパートナーに対し感情的になってしまうんですよね。
勝野弘志
勝野
それは何歳くらいの時ですか?
井上ききさん
きき
小学校低学年くらいですね。
ある日「お母さん死んだらあなたたちどうする?」って聞かれたんですよね。
そこで「このままだとお母さんが死んじゃう」って思ったんでしょうね。
勝野弘志
勝野
そんな小さいときに…。
お父さんとの関係はどうだったのですか?
井上ききさん
きき
もちろん夫婦関係も良くなかったです。
夜な夜な夫婦喧嘩していることもしょっちゅう。
それで私が12歳の時に離婚しました。
勝野弘志
勝野
そこで井上さんは、お母さんについて行かれたのですね。
井上ききさん
きき
はい、双子の姉と弟の3人で一緒に母の実家に移り住みました
さらに祖父母と曽祖父もいたので、一気に大家族になりました
勝野弘志
勝野
その時の心境はどうだったんでしょうか。
井上ききさん
きき
うーん。嬉しかったかと言われると複雑なんですけど…。
両親の喧嘩を聞くことがなくなって、少しホッとしました。
そこがまた傷つきポイントでもあって、大人の喧嘩する声が怖いとか、トラウマですよね。だから12歳で、新天地に引っ越した時は、「新しい人生がスタートした」って思いました。
勝野弘志
勝野
そんな風に小学生が思うんですね。すごい人生。
井上ききさん
きき
「壮絶」って思われるかもですが、私のクライアントを見ていると、もっと色々抱えて辛い思いをしてる人が世の中には沢山いるんですよね。
でもこんな諸々の家庭環境があったからこそカウンセラーになって、今があると思っています。
勝野弘志
勝野
そんな辛い幼少期があったのですね。
生活が変わってからは、お母さんも回復されたのですか?
井上ききさん
きき
はい、少し良くなったけどそんな簡単に治るようなものではなくて。
母が本当に良くなったきっかけは、私がインナーチャイルドセラピーに出会ってからですね。
勝野弘志
勝野
え!それって随分後ですよね?!
最近ということですか?
井上ききさん
きき
はい、今から6〜7年前ですよね。
「私が母を幸せにしなきゃ」という思い込みを手放してからです。
そうしたら母が幸せになったんですよ。
勝野弘志
勝野
では、お母様は今幸せなんですね。
井上さんご自身は、どう変わられたのですか?
井上ききさん
きき
私はインナーチャイルドを学んでから、みるみる子供に怒ることが減ったんですよ。
勝野弘志
勝野
そもそも何で怒っていたんでしたっけ?
わがままだからですかね?
井上ききさん
きき
そうですね、子供がお母さんを幸せにできていないからですね。
私の場合は、お母さんのためのいい子でいることが優先、お母さんを幸せにするために一生懸命勉強したし、それでずっと生きてきた。
生きるか死ぬかみたいな問題だったので、お母さんを幸せにできないことが怖いんですよね。
勝野弘志
勝野
井上さんの子供さんたちの行為が、お母さんを幸せにできないから怒ってしまうということですか?
「怒る」ということが「死んじゃう」という恐怖とどう繋がっているでしょうか。
井上ききさん
きき
はい、これは「投影」という心理学用語なんですけど、子育てをしていると知らないうちに自分自身を我が子に投影しちゃうんですね。
うちの子を見ていてそんな振る舞いでは「お母さんを幸せにできない」そして、恐怖が襲ってくるから怒鳴っちゃう、怒っちゃう。そして、恐ろしさや怯えという感情が、実は怒りに繋がるんです。
勝野弘志
勝野
自分は怒っているけど、実は怖がっているということですか?
井上ききさん
きき
そうです。でも怒っている時は、怖がっていることに自分でも気づいていないんですよ。
怒るメカニズムって人それぞれで。
本来その人に怒るべきことではなく、過去のトラウマが原因で「怒り」の感情が出てしまうんです心理学で「怒り」の根っこは強い恐れか深い悲しみのどちらかと言われていて。
過去の経験やトラウマに反応して怒りという感情が出るんです。だからその怒りの下にある、気持ちを見てあげると抑えることができるんです。
勝野弘志
勝野
それがインナーチャイルドセラピーを学んでわかった、そしてお子さんに怒ることが減ったのですね。
でも実際お子さん自身は、何も変わってないということですよね?
井上ききさん
きき
はい、子供は何にも変わって無いです。
むしろ成長して悪化してたかも(笑)
大きくなるにつれて、どんどん言うことも聞かなくなりますからね。
でも今二人とも思春期に入りますが、怒るってことはほぼ無いですね
勝野弘志
勝野
なるほど。それは素晴らしい変化ですね。
怒りをコントロールする以外にも何か変化はありましたか?
井上ききさん
きき
ありのままの自分を愛せて、ありのままの子どもたちを愛せるようになったんですね。
機嫌よく、まわりに頼って生きられるようになって。
そうしたらみんながどんどん助けてくれる現象に気がつきました。家事もお茶当番もがんばらない、上手に甘えて無理しないができるようになったんです。

インナーチャイルドセラピーを本格的に学び【笑み育カウンセリング】が誕生

なごやなでしこインタビュー井上ききさん

勝野弘志
勝野
インナーチャイルドセラピーでそこまで変わるんですね!
当時は井上さん自身がまずセラピーを受けられたということですよね。
井上ききさん
きき
はい、まず自身がセラピーを受けて変わって、そして「インナーチャイルドファシリテーター」というコースを学びました。
自分の怒りのコントロールがみるみるうちにできたので、「自分でもできるようになりたい」と、すぐ受講を決めました。
コーチングでは絶対できなかった部分です。
勝野弘志
勝野
では、コーチング講師のお仕事も続けながら、インナーチャイルドセラピーを受けて、さらにインナーチャイルドファシリテーターという資格を取得されたわけですね。
井上ききさん
きき
はい。このコースはトータル1年4ヶ月ととても長い講座なんですけど、途中で「これは仕事にできる!」と思ったので卒業前からカウンセラーの仕事も始めました。
勝野弘志
勝野
卒業前にもう始めちゃったんですね。
井上ききさん
きき
ちゃんと卒業はしましたよ!
でもせっかちなところがあって(笑)生き急いじゃう感じですね。
ベースとなるコーチングの仕事があったのも大きいのですが。
勝野弘志
勝野
なんかわかります。
そこからどうやって【笑み育カウンセリング】が誕生したのですか?
井上ききさん
きき
このインナーチャイルドセラピーをもっとみんなが自由に使えるように、できるようにと思って【笑み育ワークシート】を作ったんです。
インナーチャイルドは見えないものを扱うのであくまでも空想やイメージ、人によっては、結構難しいんですよね。
じゃあ1枚のワークシートにすればいいじゃんって思いついて。
これも講座受講中に作りました。
勝野弘志
勝野
オリジナルのワークシートってすごいですよね。
どんなワークシートなんでしょうか。
井上ききさん
きき
【笑み育カウンセリング】をA4用紙1枚にまとめられるシートです。
記録に残るので自分の成長を振り返ることができるし、何より感情や考えを言語化できます。

笑み育ワークシート
笑み育ワークシートは、ききさんのホームページでLINEお友達登録でダウンロードできます。
そのほか体験会でも体験することができます。

勝野弘志
勝野
確かに。
カウンセリングやインナーチャイルドってイメージの世界だから、言語化できるとわかりやすいですよね。
井上ききさん
きき
はい、言語化の力はすごいです。
手放したい自分を苦しめる思い込みを言語化し、さらに新たにインストールしたい幸せな考え方や捉え方も言語化します。 そして、言語化した新しい考え方をアファメーションとして繰り返し呟いたり、何度も目にするところに貼っていただきます。
これをするので、しっかりと新しい自分になるんです!

アファメーションとは
アファメーションとは、自分自身に対する肯定的な宣言のことです。 英語のaffirmationには、肯定、確定、断定といった意味がありますが、自己啓発のセミナーなどでは、「私はできる」や「私はもっと良くなる」など、自分自身への宣言をアファメーションと呼んでいます。
https://biz-shinri.com/affirmation-7072

勝野弘志
勝野
新しい自分!具体的にはどのような変化がありますか?
井上ききさん
きき
「子供に怒鳴らないで話を聞いてあげられるようになった」とか「自分を責めなくなった」とか。
「家計の収入が4倍になった」とか「ご主人が貢いでくれるようになった」とかもあります。
勝野弘志
勝野
変わるのはご自身だけではないのですか?
井上ききさん
きき
はい、インナーチャイルドセラピーのすごいところは、自分のインナーチャイルドを癒すと、ご主人との関係や両親や義両親、友人との関係などすべての人間関係が改善していくところなんです!
勝野弘志
勝野
素晴らしいですね。
でもお客様はずっとカウンセリングに通わなければいけないのでしょうか。
井上ききさん
きき
それがですね、10回以上受ける方は少ないんですよ。
クライアントは次第に自分でワークシートを使いこなせるようになるので、カウンセリングを卒業できるんです。一生モノのセルフカウンセリングのスキルを身につけていただけるんですね。
勝野弘志
勝野
なるほど!お客様自身がその手法をマスターできるのですね。
井上ききさん
きき
はい、「自分の機嫌は自分で取る」という【笑み育カウンセリング】の最大の魅力ですね。

一番アドレナリンが出る大好きなブログで、大好きなお客様に囲まれることができた

なごやなでしこインタビュー井上ききさん

勝野弘志
勝野
この【笑み育ワークシート】を思いついて、実際に形にできたのが井上さんの強みですよね。
それができたのが6年前?当時の集客はどうされていたのですか?
井上ききさん
きき
コーチングの時のお客様がまずいらしたのでそこからと、私の変化を見て驚かれた周りの方が、カウンセリングを受けてくれたんです。
最初は本当に身近な人から変わっていきました。
同時にその頃からアメブロを始めたので【笑み育カウンセリング】としてきちんとメニュー化して発信し始めました。
勝野弘志
勝野
アメブロって少し閉鎖的なコミュニティなイメージがあるのですが、そこからどうやって広がっていったのですか?
井上ききさん
きき

アメブロの良さは「リブログ」と言って良い記事を取り上げてシェアできる機能があるところですね。読者さんが沢山シェアしてくれたんです。

Facebookもやっていたので、今よりもすごかった拡散力にもかなり助けられました。
そのおかげで全国から問い合わせが来るようになって、電話やスカイプでもカウンセリングをしてましたね。

勝野弘志
勝野
全国からですか?すごい!
でもブログを書き続けるのは大変じゃないですか?
井上ききさん
きき
私は実はブログを書くことが大好きなんです。
だから一番アドレナリンがでることをお客さまと繋がる入り口にしてきたんですよね。【笑み育】は特にいつも考えすぎちゃうタイプの方に合っていて、無駄にグルグル考えるクセがある方にはピッタリなんです。
だからそれをまさに言語化してるブログはそんな人を呼ぶみたいで。
思考のやかましい左脳型の方がちゃんと来てくれます。類は友を呼ぶんです(笑)
勝野弘志
勝野
まさに理想のお客様がブログから来てくださるんですね。
井上ききさん
きき
はい!好きな人に囲まれて、同じ価値観を持つ方と一緒に仕事ができて、私は本当に幸せだなぁとつくづく感じます。
仕事がまさに趣味みたいで、遊んでいるように仕事をしてます!

ブログがきっかけの出版、2年かけて【笑み育カウンセリング】をテキスト化

なごやなでしこインタビュー井上ききさん

勝野弘志
勝野
仕事が遊び、まさに理想ですね!
昨年の出版はどのような経緯でされたのでしょうか。
井上ききさん
きき

ギャラクシー出版さんからブログを通じてメッセージをいただいて、担当者とお会いしたことがきっかけです。

実は以前にも別の方からメッセージをいただいてたのですが、そっちはお断りしていました。せっかくならオンデマンドではなく、本屋に並ぶ出版をしたくて。

勝野弘志
勝野
出版の依頼もブログからだったのですね。
なぜ出版を決意されたのですか?
井上ききさん
きき
他の出版社の編集長をされている方が「1冊本を書く練習になるから、書くべきです」と。
「じゃあ・・・」というノリでした。
勝野弘志
勝野
いつも沢山ブログを書かれてるから、きっとすぐ書けたのではないですか?
井上ききさん
きき
いえ…アレだけブログを書いている私でも、1冊本を書き上げるのは本当に大変でした。
勝野弘志
勝野
やはり出版となると情報量が違いますもんね。
どのくらいの期間がかかったのですか?
井上ききさん
きき
2016年に出版が決定して、執筆作業自体は2017年1月〜9月に完成。
でも出版社の関係も諸々あり、実際に出版できたのは2018年10月でした
勝野弘志
勝野
約2年がかり!超大作ですね。
内容はどのようなことを書かれたのですか?
井上ききさん
きき
今回の著書は、「笑み育ワークシート」の使い方を解説したいと思って書きました。
笑み育ワークシートについて、私の頭の中に入っているだけですと、死んじゃったら困りますからね(笑)
一度まとめておきたいと思ったのです。おかげで【笑み育カウンセラー養成講座】でテキストとして利用できる内容のものが作れました。
勝野弘志
勝野
出版して周りの反響はいかがでしたか?
井上ききさん
きき
講師としてもカウンセラーとしても出版したことによるブランディング力は上がったと思います。
それによって、認定カウンセラーたちにとっても、笑み育の価値を伝えやすくなっていると思います。

カウンセラーからカウンセリングを教える講師へ。【笑み育カウンセラー養成講座】のスタート

なごやなでしこインタビュー井上ききさん

勝野弘志
勝野
確かに。著書があると一気に箔がつきますよね。
これまで井上さん自身がカウンセリングをしていたものを、なぜ「養成講座」として教えることになったのですか?
井上ききさん
きき
効果を実感していただいたクライアントから「笑み育カウンセラーの養成をしないの?」ってちょくちょくお声をよくいただくようになりました。
人に教える自信もなかったし「やりません!」ってずっと言ってたんですけど。
勝野弘志
勝野
それでも始められたんですね。
井上ききさん
きき
あんまりにも「やって」言われるから(笑)
「じゃあやろう」って決めて2年前の2017年12月に養成講座の0期がスタートしました。
名古屋と以前は大阪でもやってました。
勝野弘志
勝野
名古屋の人がわざわざ大阪にも行かれるのは、珍しいですよね。
井上ききさん
きき
大阪でもやってほしいっていうお声をいただいたので。
でも通うのも大変だし、来ていただいた方が良いなって今はなってます。
勝野弘志
勝野
今は養成講座の3期が開講中なんでしたっけ?
井上ききさん
きき
はい。0期、1期、大阪、2期と開催して、今3期目です。
勝野弘志
勝野
講座はどのくらいの期間で開催されているのですか?
井上ききさん
きき
月1回でトータル7ヶ月、時間は10~16時です。
勝野弘志
勝野
結構がっつりと教えられるのですね。
時間帯はママ向けになってますね。
井上ききさん
きき
そうですね。
平日だと早く帰らないといけないし、土曜日にお子さんを預けてきてもらってる方がほとんどです。
勝野弘志
勝野
卒業したらディプロマが取得できるのですか?
井上ききさん
きき
はい。課題と試験があって、それをクリアしたらディプロマを発行します。
勝野弘志
勝野
その仕組みも作り上げられたのですね!
井上ききさん
きき
実は、講座を作ると決めて「ハートフルコミュニケーションズ」という会社の心理学の講座を受けに行きました。
認定試験も受けて、自分がまず体験して。
講座から試験の作り方までそれを真似して【笑み育カウンセラー養成講座】を自分で作りました。
私は真似するのが得意なんですよね。
勝野弘志
勝野
「ハートフルコミュニケーションズ」との出会いはどのように?
井上ききさん
きき
ボスこと谷口さんに、Facebookのメッセンジャーを送って私からナンパしました(笑)
ボスは結構すごい方なんですけど…。
そこでお会いできることになって「じゃあ講座受けよう」ってなりました。今はハートフルさんの講座を全部受けているくらい、すごくお世話になっています。
勝野弘志
勝野
なるほど!こうして【笑み育カウンセラー養成講座】が出来上がったのですね。
講座を受けた方はどのように活躍されているのですか?
井上ききさん
きき
まずはお仕事にする前に、自分自身のカウンセラーになることが必要なんです。
自分で自分のご機嫌をとれるようになることが大切。
修了後は、独立されてカウンセラーになったり、元々のお仕事に生かしたり色々ですね。
看護師さんだったのに辞められて、カウンセラーになった方もいらっしゃいます。
勝野弘志
勝野
受講生には、看護師さんもいらっしゃるんですね。
井上ききさん
きき
なぜか看護師さんが多いんですよ。
過去4人もいらっしゃいますね。
看護師さんって人に与える仕事、だからこそ自分に与えてない人が多いんだと思います。
勝野弘志
勝野
講座生は基本的にカウンセリングを受けられたお客様なんでしょうか?
井上ききさん
きき
そうですね、元々のクライアントもいらっしゃいますし、いきなり講座からの人もいます。
勝野弘志
勝野
そういう方は、ブログを読んで来てくださるのですか?
井上ききさん
きき
はい。あと入り口として、【笑み育ワークシート】の体験会もやっているので。
勝野弘志
勝野
なるほど。まず体験会があるんですね。
具体的にはどのような仕組みでサービスを展開をされているのですか?
井上ききさん
きき
まずFacebookから入っていただくことが多いですね。
そこからブログを読んでもらって、まずはワークシートの体験会。
あとはメルマガやLINE@も週1で必ず配信しているので、そこからカウンセリング、もしくは養成講座に繋がる感じです。
勝野弘志
勝野
なるほど。ブログから入ってもらって、そこからメルマガやLINE@の流れがしっかりできていますよね。まさに王道!
井上ききさん
きき
今年からは遠方の方でも【笑み育】を気軽に学んでいただけるようにオンラインサロンも始めました。
勝野弘志
勝野
どんどん新しい試みにトライされて活動を広げられていますね!
今後の目標はあるのでしょうか。
井上ききさん
きき

まずは「笑み育」を知っていただく機会を増やしたいので、笑み育ワークシート体験会をもっと気軽にたくさんの方に来ていただけるようにしたいです。

今は対面でのカウンセリングがほとんどですが、オンラインサロンもできたし、もっと手軽に身近に「笑み育」を体感してもらえたら嬉しいなと。
あと養成講座を今後もコンスタントに続けてカウンセラーを増やして「笑み育カウンセリング」がもっと全国に広まったらいいなと思ってます。

勝野弘志
勝野
井上さんが目指す世界はどのような世界なのですか?
井上ききさん
きき
自分の機嫌を自分で取れる大人を増やすこと。そうすることで、子どもたちが思いっきり子どもでいられる、そんな世界。
私が子供の頃に得ることができなかった世界です。
勝野弘志
勝野
素晴らしい。ご自身が様々な経験を乗り越えて来られた井上さんだからこそ創ることができる世界ですね。
これからも応援しています。

なごやなでしこインタビュー井上ききさん

編集後記

  • 取材・撮影日:2019年5月22日
  • 聞き手:勝野弘志
  • 撮影:臼井さや香
  • 編集:泉谷梨恵

なごやなでしこインタビュー井上ききさん

笑み育カウンセラー/講師/メンタルコーチ
井上ききさん

【笑み育カウンセリング】
井上きき独自開発の心理カウンセリングとメンタルコーチング、そしてインナーチャイルドセラピーの方法を融合させたカウンセリング。その手法を1枚にまとめた、【笑み育ワークシート】を使用しカウンセリングを行う。クライアントから「生きるのが楽になった」「子供に怒鳴らなくなった」「夫や義母からも大切にされるようになった」など喜びの声が後を絶たない。
ホームページ:井上きき公式サイト
ブログ:アメブロ
オンラインサロン:笑み育オンラインサロン
著書:「笑み育ワークシートで笑みママになる!」2018/10/30発売
この記事を書いている人 - WRITER -
起業2年目のフリーランスwebデザイナー・ライター 「おうちで働く笑顔のママになる」を目標に未経験からwebの世界へ。 主に個人事業主さん向けにWordpressのホームページ制作を中心とした集客・運営の仕組み作りを提案している。 「制作で終わらない、一緒に作って育てる」がモットー。 ビジネス用で始めたInstagramにハマり、講座やレクチャーなどもしている。

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