想いや価値観を大切にする女性起業家支援プロジェクト

なごやなでしこWEB通信~名古屋の女性起業家を支援するプロジェクト【なごやなでしこ】

自社にしかできないことに集中することで、必要な人が周りにあつまる。〜漢方ハーブティー企画販売/笹村真理子さん〜

 
  2018/12/30

2度の流産で痛感した女性のための「カラダ作り」を。

勝野
今日は、株式会社sasamary 代表取締役の笹村真理子さんにお話を伺います。笹村さん、よろしくお願いします。
笹村
よろしくおねがいします!

オリジナルの漢方ハーブティーの販売をオンラインショップで運営。

勝野
ではさっそく、お仕事の内容をお聞かせいただけますか?
笹村
和漢植物とハーブをブレンドしたオリジナルの漢方ハーブティーを企画、販売しています。
笹村
漢方セミナーの講師やお茶会なども開き、日常に続けられるセルフケアの普及に努めています。
勝野
オリジナルの漢方ハーブティー、というのは、笹村さんが作ったものですか?
笹村
ハーブティー屋さんはたくさんあるし、ハーブティーそのものもたくさんの種類があるんですけど、和漢植物を使ったものはなかなかなかったんです。
笹村
漢方の考え方をベースにした、日常生活に簡単に取り入れられるものを企画して、それを作ってくれる工場探しから始めました。
勝野
自分で作って売るんじゃなくて、工場で生産してもらうわけですね。
笹村
はい、OEMです。
笹村
お客様に弊社サイトから注文していただき、受注処理と商品発送は外部委託していますので、そのあたりは自動です。
笹村
商品は、症状とかに応じていまは9種類の漢方ハーブティーを提供しています。
笹村
飲みやすい、おいしい漢方ハーブティーの生産のために、成分配合からパッケージのデザインまで企画して、出来上がったお茶を売るのが私の仕事です。
勝野
その漢方ハーブティーが生まれるきっかけはなんだったのでしょうか?
笹村
もともとは、学校卒業後に薬剤師として薬局に勤務したことが始まりです。
勝野
薬剤師さんなんですね。
笹村
薬局といっても一般的な薬局というよりかは、皮膚や美容専門の漢方相談薬局でした。普通の処方もやっていましたが、カウンセリングが多かったです。
勝野
漢方相談薬局、初めて聞きました。
笹村
私自身も若いころ、ニキビに悩んでいました。
笹村
市販薬を試し、皮膚科に通い、場合によってはエステに通ったり、要するに全部やってそれでもダメだった!というひとが漢方相談薬局に来られます。
勝野
お肌のトラブルに悩むひとの駆け込み寺、みたいな感じですね。
笹村
そこでは7年間勤務して、このとき初めて漢方に出会うんですけど、先輩の薬剤師さんが相談に来られた患者さんとカウンセリングをしているのを聞き耳を立てて(笑)、それがとても参考になったというか。
勝野
ご自身もニキビに悩んでいたから?
笹村
ニキビを治したい、綺麗になりたい、と必死なのに、日常生活はぐちゃぐちゃで(笑)。
笹村
先輩のカウンセリングを隣で聞いていて、それではいくら皮膚科に通ってもダメだと気付いて。
勝野
そうなんですね。
笹村
自分でも漢方薬を試し、食生活や運動など日常生活を整えていくことで、あれだけ悩んでいたニキビも綺麗に治っていったので、これはすごいと。
勝野
なるほど。
笹村
よくいわれることでしょうけど、睡眠不足・運動不足・ストレス・食生活の乱れなどがお肌のトラブルの原因です。ニキビ、冷え、生理不順などの体の不調というのは、体の内側からのSOSサインなんですよね。
勝野
たしかに、よく聞くお話です。
笹村
日常生活を整えて、漢方薬を飲むとほんとに肌が改善していくんです。
笹村
でも、治ったからといって薬をやめてしまうと元に戻っちゃう(笑)。
笹村
漢方薬は病院で処方されるもの以外は保険が利かないので、治療費も月に2万円とか3万円とか普通にかかってしまいます。だから続けるのも経済的に大変。
笹村
でも漢方薬をやめたから元に戻ってしまうというよりは、治った後の日常生活が元に戻ってしまうから、というのが本当の理由になっていたりして。
勝野
そのための、日常でのセルフケアの普及をしているということですね。
笹村
病気になる前に日常に続けられるセルフケアの大切さを、その漢方相談薬局では学びました。
笹村
だから、「ココロとカラダに向き合う時間」や「忙しい中でも自分を労う習慣」をつくるきっかけになりたいという想いから活動を始めたんです。

MEMO

笹村真理子/株式会社sasamary 代表取締役

薬剤師として7年間の勤務経験を活かしオリジナルの漢方ブレンドハーブティのオンラインショップを運営。

苦い、まずい、高い、というイメージの漢方をもっと身近に感じてもらうために、おいしくて飲みやすい漢方ハーブティを開発。オンラインショップからの受注・発送処理の自動化とOEM生産・事前決済システムにより、自らは商品開発と営業に注力。

平成28年12月に法人化。

日常生活を整えることが不調を改善する方法。

勝野
お客様はどんな人が多いのですか?
笹村
お客様の9割は女性です。特に30〜40歳くらいまで。根本的な不調の改善、内側からの美しさを求めている方が多いです。
勝野
そのお客様たちは、いったいどんな悩みとか、欲求を持っていらっしゃるのでしょう?
笹村
病院にいくほどではないけれど、何となく感じている不調を改善したい。内面からきれいになりたい。前向きな気持ちで人生を楽しみたい。そんな感じでしょうか。
勝野
それは、笹村さんご自身の過去の悩みに通じますね。
笹村
とにかく、日常生活を整えることと継続すること。これが大事だということはみんなわかってるんですけど、それがなかなかできない。
笹村
できないから、本当に病気として症状が現れてしまうまで放置状態になってしまいます。
笹村
あと、漢方薬が良いことはわかっていても、高いとか苦いとかというイメージもあるので、やっぱりそこも続けることが難しくなる要因の一つになっていますよね。
勝野
漢方薬のイメージって、たしかにそんな感じ。
笹村
たとえば、漢方=薬、っていうイメージってありませんか?それも違うんですよ。
勝野
え?
笹村
もっといえば、漢方というのは中国のものではなくて日本のものです。
勝野
中国のものじゃなかったんですか?笑
笹村
もちろんベースは中医学。
笹村
でも、漢方というのはそこをベースとしながらも、日本の気候などに合わせてアレンジされた、考え方や食養生、生活習慣、気功等の総称のことなんですよ!
勝野
全然知りませんでした。
笹村
その漢方の考え方でブレンドしているハーブティーが、私が提供している「漢方ハーブティー」というわけです!
勝野
漢方茶じゃないんだ!笑
笹村
カテゴリーでいうと薬ではなくて食品です。ハーブティーですね。でも、漢方薬にも使われている植物とハーブを、漢方の考え方に合わせてブレンドしたのが「漢方ハーブティー」なんです。
勝野
ハーブティーはまたどうして?
笹村
これは、妊娠中に見つけました。妊婦さんって制約が多いんです。頭痛、腰痛、便秘、肩こり、不眠。そんな時でも薬が飲めない。そこで見つけたのがハーブティーでした。
笹村
ハーブティーを試してとてもよかったので、その勉強も始めたんです。

成功の秘訣(1)

ビジネスとは顧客の問題解決であり、商品とはその問題解決の手段である。お客様が何に悩んでいるのか?がすべてのスタートである。

体にいい漢方が高くてまずくて苦い、だから続けられない。という顧客の悩みを、自らの経験と知識と努力で解決させたもの。安くて手軽で美味しい漢方〜それが漢方ハーブティ。

勝野
その、漢方の考え方でブレンドした「漢方ハーブティー」を開発して提供しているわけですね!
笹村
手軽に、美味しく日常にとけ込めるお茶を通じて日々のセルフケアを無理なく、心地よく続けてもらうことができます。
勝野
無理なく続けるための。
笹村
お客様が、「これだったら私でもできる!」というものを提供できてるんじゃないかな、と思います。小さなことですけど、その「私にもできた!」っていう成功体験が自信にもつながっているんじゃないかと。
勝野
お客様の反応はどうですか?
笹村
漢方というと難しい、苦い、不味いなどのイメージがあるけれど、美味しくてびっくりした、とか。これなら楽しんで続けられます、とか言っていただくことが多いですね。
勝野
なるほど。
笹村
カラダに必要な時だけ美味しく飲める、という事例は多いです。
笹村
アレルギーの子は麦茶よりも「潤」を好んでのむとか、つわりで水もうけつけなかったのに、「優」だけのめたとか。
勝野
おお!
笹村
肌が乾燥しなくなったとか香りで必要なものを選べるとか、おじいちゃんが ハーブティーを愛飲してるとか。
笹村
お客様からの声は目からウロコだらけです(笑)。
笹村
あと、一般のお客様への小売以外に、エステや整体などの代理店に卸しているのですが、その方々からは施術以外のメニューやサービスとしてお茶は提案しやすいと言われます。

暗闇の中でも走り続けたからこその成果。

勝野
体にいいものを手軽に美味しく飲めるっていうのは嬉しいことですね。
笹村
女性のお客様にとって、効用も大事なんですけどパッケージが可愛いとか、そういうのも結構重要なんです。
笹村
長女を出産後その勤めていた漢方薬局をやめて、別の漢方薬局にパートに行ったりしていました。そこでは漢方茶を取り扱っていたのですが・・・。
勝野
ええ。
笹村
出産後はフルタイムで働いているわけではないので、家事・育児をしながら育児ブログを書いたり起業塾にも行ったりして。
勝野
結構突っ走りますね(笑)
笹村
でも、なんだかモヤモヤしてました。
笹村
起業塾では、薬局で漢方茶を売っているだけではビジネスとは言えない!とか言われたり。
笹村
片手間で漢方茶を売っていると思ってしまったり、自分のビジネスとしてやるには薬局を持たなきゃいけないって思ったりして。
勝野
突っ走りながらも、でも暗闇の中、って感じですね。
笹村
わたしがやりたいのはお茶を売ることじゃないんだ!(笑)みたいな。やっぱりカウンセリングをやりたいなと思っていたわけです。
勝野
それはどうしてですか?
笹村
悩んでいる女性ってすごく多いんだということに気づいたからです。
笹村
私は息子を授かるまで2回、流産しています。昔から、生理不順、無月経とカラダをいじめ続けながらも無視して走り続けた結果と自分を責めました。
笹村
今、流産率、不妊率が高いのはきいてはいましたが、まさか自分が・・・。思いもよらなかった出来事でした。そこから、同じ経験をしてる人が多く、悩んでる人もたくさんいることを知ったのです。
勝野
それは辛い経験でしたね。
笹村
「女性は冷やしてはダメ。生理痛や生理不順をほっておいてはダメなんだ」と発信していくことが自分の使命だと思います。

成功の秘訣(2)

すべての商品には必ず、それが顧客に提供する「価値」がある。

漢方ハーブティーが顧客に提供する価値は何か?それは喉の渇きを潤すことではなく、手軽に漢方に触れられること、である。

その価値は、提供者の信念や生き方や経験が反映されるもの。体の不調に目をつむる女性に、それではいけないということを発信するのが笹村さんの使命・信念であり、それを手軽に試せるのが漢方ハーブティという商品なのである。

とにかくお客様の声に耳をかたむける。

勝野
それが、「やりたいことはお茶を売ることじゃないんだ」ということにつながるわけですね。
笹村
漢方セミナーとかお茶会とかいうのは、そういう発信の場でもあるわけです。
笹村
育児ブログで始まったアメブロも、そういった情報発信のツールにいつしか変化していきました。

http://ameblo.jp/fuukojima/

勝野
世の中の悩める女性を救うというか。
笹村
冷えてる女性、無理してる女性は本当に多いんです。
笹村
勢いで薬局を飛び出した数年間は、自分がしたいことや仕事について言葉にするのが出来ませんでした。
笹村
「女性を、美しく。健康に。」とどこかできいたことあるような薄い発言を、することに抵抗感があり苦手でした。そんな状態で、売れるはずもないことは明確ですよね。
勝野
たしかに、薄っぺらく聞こえますね。
笹村
自分が何をしたくて、何ができるのか。それを教えてもらいながら、時には無力感を感じながらも続けてきて今がある、と思います。
笹村
流産も不妊も、とても一言で言えない本当に辛いことですし、たくさんの女性が悩んで泣いて、苦しい思いをしてます。
笹村
そんな治療の中にいる人にも、また治療まではいかないけどカラダをいじめてる人にも、心と体を温めるものを届けたい。そう思ってます。
勝野
そうなんですね。
笹村
息子を授かってから産むまでもいつ何があるかわからず、流産の可能性も障害をもってうまれる可能性もあったわけですが、息子が来てくれた後に活動も発言も変わったのかな、と思います。
笹村
それがターニングポイントだった気がしてます。
勝野
そこから売り上げも伸びた。
笹村
自分の言葉として 目の前の人に伝えられるようになってからは自分の気持ちもとても違和感がないですし、顔にも言葉にも説得力が生まれたのかと思います。
勝野
自信を持って伝えられるようになった。
笹村
はい。とにかく自分に向き合い、大変な時でも発信を続けてきたこと。これがあったからこそだと思います。
笹村
あとは、商品を買っていただいたお客様からのご意見を聞き続けたこと。これでしょうか。
勝野
それを商品開発に活かしてきたんですね。
笹村
お客様の声がすべてですね。
笹村
売上を上げたいのならコンサルタントの言うことを聞くんじゃなくて(笑)、お客様の言うことを聞けばいいんです!
勝野
なるほど(笑)

成功の秘訣(3)

辛くても続けてきたことが自信となり成果となる。

起業初期は行動量がすべて、情報発信がすべて。そしてお客様から選ばれる理由がすべてである。

お客様から選ばれる理由は何か?それはお客様から聞くのが一番確実な方法。

自分を選んでくれた人のために何ができるのかを考える。

勝野
漢方ハーブティーが生まれたのはその頃ですね。
笹村
はい。
笹村
よく周りの人に言われるのは、漢方ハーブティが生まれる前の暗黒期(笑)は、「あの頃は顔が死んでたよね〜」って。
勝野
私が笹村さんに出会ったのはその頃かな(笑)。
笹村
ですね(笑)。
笹村
で、最近では「顔が優しくなったね」って言われるようになりました。
笹村
前はとにかく必死に動き回っていました。チャンスを探して必死に。
笹村
でも、息子が来てくれてからは焦りもなくなり、動けなくなって逆にひとつひとつのご縁を大切にできるようになりました。
勝野
なるほど。
笹村
「日常生活の大切さに気づきました」「このお茶に出会えて良かったです」って言ってもらえることがやり甲斐と自信に繋がります。
笹村
自分は自分に出来ることに集中する。それ以外にやれることはない。選んでくれた人のために、何ができるのかを考える。
勝野
うん、うん。
笹村
そう腹が決まってから売上げがのびました。そういう人が周りにいてくれるようになりました。そんな感じです。
勝野
笹村さんにしかできないこと、ってなんでしょうか?
笹村
繋ぐこと。これでしょうか。 人と人、親と子、夫と妻、友達同士、サロンとお客様、など。
笹村
贈りものや紹介など、人から人へ優しさや温もりを届けるものでありたいと思ってます。家族や友人、大切な人を繋ぐきっかけになれたら理想です。
笹村
そして毎日の習慣に自分のお気に入りの時間をつくる習慣をもつことで ココロとカラダを温めて欲しいです。
勝野
ココロとカラダを温める。いいですね。
笹村
女性に冷えは大敵と言いますが、まさにその通りで美しくあるためにも、毎日を幸せに過ごす為にも冷えは禁物です。
笹村
人生を豊かに、楽しんですごす人が増えることで社会は明るく温かくなると思っています。
勝野
笹村さんにしかできない「繋ぐ」お仕事、ですね。今後の発展を期待しています。今日は貴重なお話、ありがとうございました!

編集後記

撮影日 2017年03月09日
聞き手 勝野弘志・大野裕子
撮 影 臼井さや香

株式会社sasamary / 代表取締役 笹村真理子

薬剤師、漢方ハーブティー企画販売、漢方セミナー講師

自身の不調、薬剤師としての薬局でのカウンセリング経験を元にオリジナルの漢方ハーブティーを企画。

「美味しく、手軽に、オシャレに」日常に続けられるお茶を通して 病気になる前に出来るセルフケア、心と体に向き合う時間を提案している。

美と癒しと健康をテーマにしたお茶は 現在、日本全国に紹介など人から人へ広がり

クリニック、薬局、施術院、エステ、学校、飲食店、アンテナショップ、各種教室、ジムなど幅広い分野で取り扱い実績がある。

記念日やお祝い事の贈り物としても喜ばれている。

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