“ご機嫌なかわいい私は自分で育てる” 笑み育カウンセラー 井上ききさん | なごやなでしこPREMIUMインタビュー2019 vol.2
カウンセリングが終了した後も怒りをコントロールできるようになるという【笑み育(えみいく)ワークシート】を自ら開発し、【笑み育カウンセラー】として活動される井上さん。
さらには2017年より、笑み育カウンセラー養成講座も開講、2018年には初の著書を出版。
その裏にはご自身が経験された幼少期の辛い経験や育児の挫折など様々なヒストリーがありました。
井上きき
笑み育(えみいく)カウンセラー/講師/メンタルコーチ
結婚で退職後、コーチングを学び長男が0歳の時にメンタルコーチとして起業。
その後自身の育児への葛藤から「インナーチャイルドセラピー」に出会い心理学を学ぶ。
その後【笑み育ワークシート】を開発。
「自分の機嫌を自分で取れる人を増やすこと。母親の不機嫌にビクビクしながら過ごす子ども達を減らすこと。」を目標に精力的に活動を行っている。
井上きき独自開発の心理カウンセリングとメンタルコーチング、そしてインナーチャイルドセラピーの方法を融合させたカウンセリング。
その手法を1枚にまとめた、【笑み育ワークシート】を使用しカウンセリングを行う。
クライアントから「生きるのが楽になった」「子供に怒鳴らなくなった」「夫や義母からも大切にされるようになった」など喜びの声が後を絶たない。
ホームページ:井上きき公式サイト
ブログ:アメブロ
オンラインサロン:笑み育オンラインサロン
著書:「笑み育ワークシートで笑みママになる!」2018/10/30発売
自分で自分のご機嫌を取って笑顔を育てるカウンセリング、それが【笑み育カウンセリング】
井上さんのメイン商品【笑み育カウンセリング】について改めて教えてください。
肩書きで言うとカウンセラーになるんですかね?
カウンセラーであると同時にカウンセラーを養成している講師ですね。
【笑み育カウンセラー養成講座】が今はメイン商品になります。
養成講座は女性限定なのですが、カウンセリングのクライアントには男性もいらっしゃるんですよ。
「笑み育=子育て」のイメージがあると思うんですけど、子育てに限らず「自分で自分のご機嫌を取って、笑顔を育てるカウンセリング」なので男性相手でもいんです。
意外!男性もいらっしゃるんですね。
男性のお客様は、どんなことに悩んでいらっしゃるのですか?
もちろん割合は少なくて5%くらいですが、なぜか常に一人は男性クライアントが途切れずいらっしゃいますね。
男性のクライアントは、結構内向的な人でご自身が傷ついているのが明らかにわかっている人がほとんどですね。
女性のお客様もそのような方が多いのでしょうか?
人間ってどこかに傷ついている部分を持った人が多くて、そうすると本当にやりたいことにブレーキがかかっちゃうんです。
その傷を持った自分の心の中の子供のことを「インナーチャイルド」と呼びます。
何らかの心の傷を抱えている人が本当に多いんです。
それを癒すのが【笑み育カウンセリング】なんでしょうか。
商社でキャリアウーマンだった独身時代、そしてコーチング講師としての起業
でも6年位前にインナーチャイルドセラピーに出会って、衝撃を受けて。
自分が長年抱えてたものがスッと軽くなったんです。
長男が0歳の時に起業しています。
ご結婚前にお勤めされていた時は、どんなお仕事をされていたんですか?
外回りの営業でバリバリのキャリアウーマンでした。
お客様は現場の方ばかりなので、打ち合わせの時は油まみれですよね。
生産技術の現場の中に、女の子が一人ミニスカート履いて行ってました(笑)
ミニスカート戦術ですよね(笑)。
切削速度がどうとか数字が苦手なのに打ち合わせしないといけないから、ミニスカートでごまかしてました。
もちろん勉強もしっかりしてましたけど。
いえ、私が就職したのって超就職氷河期で…。
選り好みもできないから、どこでも拾ってください〜って感じでした。
営業職を希望されていたのですか?
同じところに毎日いるのが無理だから、外回りの仕事は合っていたんですよね。
夜中まで働いてたし、成績も残さないといけなかったけれど、みんなでわいわい頑張ろう〜っていう社風で。
お客さんも良い人ばかりでした。仕事好きなんでしょうね。
その後、ご結婚されて退職されたのですか?
この人から学ぶといいよっていう人まで教えてくれて。
「仕事しながら子育てできるよ」って勧めてくださいました。
なぜそんな風に言ってくれたんでしょうね。
その社長さんとは。今でも時々お会いするんですよ。
「人ってこういう風に人生を変えていけるんだ」って衝撃でした。
今はコーチやメンタル系のお仕事も多いですが、当時はまだマイナーなジャンルですよね。
当時はまだコーチングとかメンタルコーチなんて知られてなかったです。
まだ流行り始める前で、形の無い仕事ですからね。
でもそこから心理学に興味を持ったんですよね。
メンタルコーチって、どこかに就職したり所属したりはできないんでしょうか。
それがないから仕事にできている人は、意外に少ないんですよね。
当時から結構稼がれていたのですか?
コーチングだけの時は全然稼げてなかったですね。
月10万円くらいでしょうか。
集客はどうやってされていたんですか?
「じゃあ保育士向けの講座できる?」ってなって、保育士さん向けのコーチング講座を始めました。
「コーチングってすっごくいいんですよ〜」って話をするところから始まって。そうしたら住んでいた豊明から稲沢と、一気に保育士さんに広まっていきました。
先生のネットワークみたいなものもあったかもしれないですね。
どんな講座内容だったのですか?
ママさんや保育関係の方々、延べ3000人の相談に対応してきました。
「何もかも思い通りにいかない」自身の育児で初めて壁にぶつかり、インナーチャイルドセラピーに出会う
保育のプロに教えるくらいだから、きっとご自身の育児にも活かされていたんでしょうね。
うまく使えなかった。
高校1年生の男の子と中学1年の男の子と2人です。
次男が産まれて2児の母になってからは特にイライラが強くなって。
今まで思い通りにいっていたことが、何もかも思い通りにいかなくて…。
仕事とかと違って、子育てって本当に思い通りにいかないんですよね。もちろん育児もですけど、簡単な家事とか自分のやりたいことが思い通りにいかない。
例えば「窓を拭きたい」と思っていてもそれができないんですよ。
途中で「抱っこして〜と」か「公園行きたい」とか言われる訳ですから。「やらないといけないことがこなせない」
そこが子育ての一番の大変さだと思いますね。だから今まで仕事をバリバリやっていた人や、やりたいことをやってきた人はすごく戸惑うと思います。
子供を怒っちゃうことで自分を責めていました。
人に会うのもなんだか怖くなってしまって、わざわざ隣町のスーパーまで行ったりもしていたこともありました。
もう我慢の限界だったんでしょうね。
旦那さんは協力してくれたのですか?
ただ大きなきっかけがあって、3年間海外勤務で単身赴任になってしまったんですね。
そんな中、完璧主義の私が一人で何もかもちゃんとこなそうとしちゃったから、もう大変ですよね。
でもそんな中でコーチング講師のお仕事も続けられていたのですよね?
なのにその陰で自分の子育ては、立ちいかない状態で…。
でもそんなことで悩んでるって、誰にも言えなかったんですよね。
だから余計にできない自分を責めちゃって、子供に怒ってばかりいたし…。
インナーチャイルドを知ってからわかったことですが、この時は感情が邪魔をしてたんですよね。
頭でわかってることができない、インナーチャイルドとの葛藤です。
「幸せ売ってないかな〜」って本屋さんにふらっと寄って。
時々幸せ探しに行きますよ(笑)。
なぜかその時「ケイコとマナブ」を初めて手にとったんです。
そこで「心理カウンセラー養成講座」の募集を見つけて
見たときには「もう行く!」って決めてました。
本当に導かれるようでしたね。
そこでインナーチャイルドセラピーをまず自分自身が受けて、なんで今自分かこんなに辛いかがわかったんです。
「お母さんを幸せにしないと死んじゃう」幼少期の経験を辿って初めて気づいた生きづらさ
「お母さんは幸せじゃない、だから私が幸せにしてあげないといけない!」
ってずっと思っていました。
そこが私の1番の傷つきポイントだったんです。幸せにしてあげないとお母さんが死んじゃう、そうしたら私も死んじゃうって。
だからお母さんを幸せにできない私はダメだって、罪悪感をずっと持って生きてきたことに気がついたんです。だから目の前にいる子供たちが、お母さんを幸せにできていない行為をすると感情的になってしまったんですよね。だいたいみんなそうやって過去を生きているんです。
だから子供やパートナーに対し感情的になってしまうんですよね。
ある日「お母さん死んだらあなたたちどうする?」って聞かれたんですよね。
そこで「このままだとお母さんが死んじゃう」って思ったんでしょうね。
お父さんとの関係はどうだったのですか?
夜な夜な夫婦喧嘩していることもしょっちゅう。
それで私が12歳の時に離婚しました。
さらに祖父母と曽祖父もいたので、一気に大家族になりました
両親の喧嘩を聞くことがなくなって、少しホッとしました。
そこがまた傷つきポイントでもあって、大人の喧嘩する声が怖いとか、トラウマですよね。だから12歳で、新天地に引っ越した時は、「新しい人生がスタートした」って思いました。
でもこんな諸々の家庭環境があったからこそカウンセラーになって、今があると思っています。
生活が変わってからは、お母さんも回復されたのですか?
母が本当に良くなったきっかけは、私がインナーチャイルドセラピーに出会ってからですね。
最近ということですか?
「私が母を幸せにしなきゃ」という思い込みを手放してからです。
そうしたら母が幸せになったんですよ。
井上さんご自身は、どう変わられたのですか?
わがままだからですかね?
私の場合は、お母さんのためのいい子でいることが優先、お母さんを幸せにするために一生懸命勉強したし、それでずっと生きてきた。
生きるか死ぬかみたいな問題だったので、お母さんを幸せにできないことが怖いんですよね。
「怒る」ということが「死んじゃう」という恐怖とどう繋がっているでしょうか。
うちの子を見ていてそんな振る舞いでは「お母さんを幸せにできない」そして、恐怖が襲ってくるから怒鳴っちゃう、怒っちゃう。そして、恐ろしさや怯えという感情が、実は怒りに繋がるんです。
怒るメカニズムって人それぞれで。
本来その人に怒るべきことではなく、過去のトラウマが原因で「怒り」の感情が出てしまうんです心理学で「怒り」の根っこは強い恐れか深い悲しみのどちらかと言われていて。
過去の経験やトラウマに反応して怒りという感情が出るんです。だからその怒りの下にある、気持ちを見てあげると抑えることができるんです。
でも実際お子さん自身は、何も変わってないということですよね?
むしろ成長して悪化してたかも(笑)
大きくなるにつれて、どんどん言うことも聞かなくなりますからね。
でも今二人とも思春期に入りますが、怒るってことはほぼ無いですね
怒りをコントロールする以外にも何か変化はありましたか?
機嫌よく、まわりに頼って生きられるようになって。
そうしたらみんながどんどん助けてくれる現象に気がつきました。家事もお茶当番もがんばらない、上手に甘えて無理しないができるようになったんです。
インナーチャイルドセラピーを本格的に学び【笑み育カウンセリング】が誕生
当時は井上さん自身がまずセラピーを受けられたということですよね。
自分の怒りのコントロールがみるみるうちにできたので、「自分でもできるようになりたい」と、すぐ受講を決めました。
コーチングでは絶対できなかった部分です。
でもせっかちなところがあって(笑)生き急いじゃう感じですね。
ベースとなるコーチングの仕事があったのも大きいのですが。
そこからどうやって【笑み育カウンセリング】が誕生したのですか?
インナーチャイルドは見えないものを扱うのであくまでも空想やイメージ、人によっては、結構難しいんですよね。
じゃあ1枚のワークシートにすればいいじゃんって思いついて。
これも講座受講中に作りました。
どんなワークシートなんでしょうか。
記録に残るので自分の成長を振り返ることができるし、何より感情や考えを言語化できます。
笑み育ワークシートは、ききさんのホームページでLINEお友達登録でダウンロードできます。
そのほか体験会でも体験することができます。
カウンセリングやインナーチャイルドってイメージの世界だから、言語化できるとわかりやすいですよね。
手放したい自分を苦しめる思い込みを言語化し、さらに新たにインストールしたい幸せな考え方や捉え方も言語化します。 そして、言語化した新しい考え方をアファメーションとして繰り返し呟いたり、何度も目にするところに貼っていただきます。
これをするので、しっかりと新しい自分になるんです!
アファメーションとは
アファメーションとは、自分自身に対する肯定的な宣言のことです。 英語のaffirmationには、肯定、確定、断定といった意味がありますが、自己啓発のセミナーなどでは、「私はできる」や「私はもっと良くなる」など、自分自身への宣言をアファメーションと呼んでいます。
https://biz-shinri.com/affirmation-7072
「家計の収入が4倍になった」とか「ご主人が貢いでくれるようになった」とかもあります。
でもお客様はずっとカウンセリングに通わなければいけないのでしょうか。
クライアントは次第に自分でワークシートを使いこなせるようになるので、カウンセリングを卒業できるんです。一生モノのセルフカウンセリングのスキルを身につけていただけるんですね。
一番アドレナリンが出る大好きなブログで、大好きなお客様に囲まれることができた
それができたのが6年前?当時の集客はどうされていたのですか?
最初は本当に身近な人から変わっていきました。
同時にその頃からアメブロを始めたので【笑み育カウンセリング】としてきちんとメニュー化して発信し始めました。
アメブロの良さは「リブログ」と言って良い記事を取り上げてシェアできる機能があるところですね。読者さんが沢山シェアしてくれたんです。
Facebookもやっていたので、今よりもすごかった拡散力にもかなり助けられました。
そのおかげで全国から問い合わせが来るようになって、電話やスカイプでもカウンセリングをしてましたね。
でもブログを書き続けるのは大変じゃないですか?
だから一番アドレナリンがでることをお客さまと繋がる入り口にしてきたんですよね。【笑み育】は特にいつも考えすぎちゃうタイプの方に合っていて、無駄にグルグル考えるクセがある方にはピッタリなんです。
だからそれをまさに言語化してるブログはそんな人を呼ぶみたいで。
思考のやかましい左脳型の方がちゃんと来てくれます。類は友を呼ぶんです(笑)
仕事がまさに趣味みたいで、遊んでいるように仕事をしてます!
ブログがきっかけの出版、2年かけて【笑み育カウンセリング】をテキスト化
昨年の出版はどのような経緯でされたのでしょうか。
ギャラクシー出版さんからブログを通じてメッセージをいただいて、担当者とお会いしたことがきっかけです。
実は以前にも別の方からメッセージをいただいてたのですが、そっちはお断りしていました。せっかくならオンデマンドではなく、本屋に並ぶ出版をしたくて。
なぜ出版を決意されたのですか?
「じゃあ・・・」というノリでした。
どのくらいの期間がかかったのですか?
でも出版社の関係も諸々あり、実際に出版できたのは2018年10月でした
内容はどのようなことを書かれたのですか?
笑み育ワークシートについて、私の頭の中に入っているだけですと、死んじゃったら困りますからね(笑)
一度まとめておきたいと思ったのです。おかげで【笑み育カウンセラー養成講座】でテキストとして利用できる内容のものが作れました。
それによって、認定カウンセラーたちにとっても、笑み育の価値を伝えやすくなっていると思います。
カウンセラーからカウンセリングを教える講師へ。【笑み育カウンセラー養成講座】のスタート
これまで井上さん自身がカウンセリングをしていたものを、なぜ「養成講座」として教えることになったのですか?
人に教える自信もなかったし「やりません!」ってずっと言ってたんですけど。
「じゃあやろう」って決めて2年前の2017年12月に養成講座の0期がスタートしました。
名古屋と以前は大阪でもやってました。
でも通うのも大変だし、来ていただいた方が良いなって今はなってます。
時間帯はママ向けになってますね。
平日だと早く帰らないといけないし、土曜日にお子さんを預けてきてもらってる方がほとんどです。
認定試験も受けて、自分がまず体験して。
講座から試験の作り方までそれを真似して【笑み育カウンセラー養成講座】を自分で作りました。
私は真似するのが得意なんですよね。
ボスは結構すごい方なんですけど…。
そこでお会いできることになって「じゃあ講座受けよう」ってなりました。今はハートフルさんの講座を全部受けているくらい、すごくお世話になっています。
講座を受けた方はどのように活躍されているのですか?
自分で自分のご機嫌をとれるようになることが大切。修了後は、独立されてカウンセラーになったり、元々のお仕事に生かしたり色々ですね。
看護師さんだったのに辞められて、カウンセラーになった方もいらっしゃいます。
過去4人もいらっしゃいますね。
看護師さんって人に与える仕事、だからこそ自分に与えてない人が多いんだと思います。
具体的にはどのような仕組みでサービスを展開をされているのですか?
そこからブログを読んでもらって、まずはワークシートの体験会。
あとはメルマガやLINE@も週1で必ず配信しているので、そこからカウンセリング、もしくは養成講座に繋がる感じです。
今後の目標はあるのでしょうか。
まずは「笑み育」を知っていただく機会を増やしたいので、笑み育ワークシート体験会をもっと気軽にたくさんの方に来ていただけるようにしたいです。
今は対面でのカウンセリングがほとんどですが、オンラインサロンもできたし、もっと手軽に身近に「笑み育」を体感してもらえたら嬉しいなと。
あと養成講座を今後もコンスタントに続けてカウンセラーを増やして「笑み育カウンセリング」がもっと全国に広まったらいいなと思ってます。
私が子供の頃に得ることができなかった世界です。
これからも応援しています。
編集後記
- 取材・撮影日:2019年5月22日
- 聞き手:勝野弘志
- 撮影:臼井さや香
- 編集:泉谷梨恵
笑み育カウンセラー/講師/メンタルコーチ
井上ききさん
井上きき独自開発の心理カウンセリングとメンタルコーチング、そしてインナーチャイルドセラピーの方法を融合させたカウンセリング。その手法を1枚にまとめた、【笑み育ワークシート】を使用しカウンセリングを行う。クライアントから「生きるのが楽になった」「子供に怒鳴らなくなった」「夫や義母からも大切にされるようになった」など喜びの声が後を絶たない。
ホームページ:井上きき公式サイト
ブログ:アメブロ
オンラインサロン:笑み育オンラインサロン
著書:「笑み育ワークシートで笑みママになる!」2018/10/30発売