起業家は撤退基準を作れ!成功への確信と最悪の事態に備えることは矛盾しない
あらかじめ予測しておかないと瞬時に反応することはできない
卓球選手の動体視力は、アスリートの中で一番高いそうですね。これは結構納得できるお話です。
しかし、卓球選手がその高い動体視力によって反応している、というのは勘違いだそうです。
卓球選手も、球種やコースを予測して動いているんだそうです。目で見て反応するのでは遅い、というのは、パンチをよけるボクサーも似ているのかもしれません。
相手が打ち返してきてから判断するには、あまりにも時間がない。あらかじめ予測しておかないと反応できない、というのが本当のようです。
商売でも同じです。
変化が激しい時代にタイムリーに反応するには、常に予測をしておかないといけないのがビジネスの世界なわけです。
為替相場の変動も同じ、予測ができれば対応策が取れるようになる
いま、円安が進んでいます。
トヨタ自動車は 1円円安になると400億円も営業利益が増えるといわれていますよね。
一般的に輸出企業にとって円安が、輸入企業にとっては円高が追い風になる。
日本経済にとって円高がいいのか円安がいいのか、これはよくわかりません。しかし、個別の企業にとっては円高・円安どちらがいいかということよりも、
急激な円高・急激な円安が一番厄介だ
ということが安定的な経営を続けていく上での課題というのが共通の認識です。
もう少し言うと、たとえば輸出企業にとってみれば円安はプラスに働くからウエルカムのはずですが、経営者からすると為替相場の変動で営業利益が変わってしまうのは避けたいというのが本音です。
なぜこのような共通認識になるかというと、急激な為替変動には打つ手がないからなんです。ゆるやかな為替変動であれば、それがたとえ自社にとって不利なトレンド・傾向であったとしても、それにあわせた対応策がとれるのですね。
つまり、
- 将来の事象を予測して
- それに対する対応策を準備しておく
というように、予測と対策を組み合わせておくことが大切だということがわかります。
自社にとって不都合となるような将来の事象(リスク)は何か?
では、自社にとっていざというときの準備をしておくための「いざというとき」というのはどんなときでしょうか?
つまり、自社にとって不都合となるような将来の事象=事業リスク、これを把握しておくことが重要です。
リスクは各社さまざまです。先ほどの為替相場の変動もそうでしょうし、そのほかにも
- 強力ライバル店の出店
- 社員の退社
- 安定的な仕入ルート確保
- ITの進化
- 相続発生
- 新技術、新商品の開発
- 取引先の倒産
などなど、考え始めたらキリがないのですが、これらのリスクに対して
とりうる対策がいくつあるのかを平時のうちに考えておく
のです。
事業成功を確信することと最悪の事態に備えておくことは、決して矛盾するものではないのです。
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